めまいの原因
- 体には、姿勢のバランスを保つ機能が備わっており、この機能に異常を来すと、めまいが起こります。
- 姿勢のバランスを保つ機能の異常を来す箇所
- 脳や神経
- 耳
- 血圧の変動に関係する全身の病気、不安や心配事、ストレス他
めまいの原因
- 脳梗塞・脳出血
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「脳梗塞」や「脳出血」が起こると、小脳や脳幹(のうかん)に十分な血液が運ばれず、働きが異常となり、めまいが起こります。
脳梗塞や脳出血を起こし、小脳や脳幹に障害が発生すると、回転性めまいが起こりやすくなります。意識障害、ろれつが回らない、運動障害などを伴います。頭痛や首の痛みを伴うこともあります。
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「脳梗塞」や「脳出血」が起こると、小脳や脳幹(のうかん)に十分な血液が運ばれず、働きが異常となり、めまいが起こります。
- 脳への血流不全(椎骨脳底動脈循環不全)
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首から脳へとつながる椎骨(ついこつ)動脈と脳底(のうてい)動脈の血液が不足すると、脳に十分な血液が運ばれず、めまいが起こります。
これは「椎骨脳底動脈循環不全(ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜん)」という病気です。 - 椎骨脳底動脈循環不全を起こすと、回転性めまいが多く、浮動性めまい(体がフワフワした感じでふらつき、まっすぐ歩けない感じのめまい)、目の前が暗くなるめまいがそれに続きます。視界がボヤーッとする、気が遠くなる、嘔吐、上肢のしびれ感を伴うことが多くあります。難聴や耳鳴りを伴うことはほとんどありません。また、首を回したり伸ばしたり、からだを動かしたりすると、めまいが起こることがあります。
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首から脳へとつながる椎骨(ついこつ)動脈と脳底(のうてい)動脈の血液が不足すると、脳に十分な血液が運ばれず、めまいが起こります。
- 聴神経腫瘍
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からだのバランスを保つ情報を脳へ伝える前庭(ぜんてい)神経に腫瘍ができるとめまいが起こります。「聴神経腫瘍」という病気です。
脳腫瘍によるめまいは、浮動性めまい、平衡障害が多く、激しいめまいは多くはありません。めまいの原因となる腫瘍は、聴神経腫瘍が最も多く、難聴や耳鳴り、フラフラ感、顔面の違和感、頭痛が生じます。難聴は徐々に起こってきますが、突然起こることも少なからずあります。
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からだのバランスを保つ情報を脳へ伝える前庭(ぜんてい)神経に腫瘍ができるとめまいが起こります。「聴神経腫瘍」という病気です。
- 耳石の侵入(良性発作性頭位めまい症)
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耳にある三半規管は、体のバランスを保つ器官です。この三半規管に耳石が侵入したことによって、めまいが起こります。
「良性発作性頭位(りょうせいほっさせいとうい)めまい症」というのが病名です。
めまいで医療機関を受診する方の20~40%程度がこの病気で、耳の異常が原因で起こるめまいの中で最も多い病気といわれています。
朝、寝床から起き上がるときなどに、頭を動かしたり、頭がある特定の位置に移動したりすると回転性めまい(自分自身がぐるぐる回っている感じを受けたり、周囲がぐるぐる回っているように見える)が起こります。めまいは次第に悪化し、すぐに軽快し消失します。持続時間は数秒から数十秒くらいです。めまいを繰り返すと、徐々にめまいの症状は軽くなり、消失します。
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耳にある三半規管は、体のバランスを保つ器官です。この三半規管に耳石が侵入したことによって、めまいが起こります。
- リンパの増加(内リンパ水腫、メニエール病)
- 耳の奥(内耳、ないじ)には、内リンパと言う液体が満たされた場所が存在しますが、この内リンパという液体が増えすぎると内耳がむくみ、めまいが起こります。
- この「内リンパ」が増え過ぎた状態を内リンパ水腫(ないりんぱすいしゅ)と呼び、めまいのほか、難聴(とくに低音の聞こえが悪い)や耳鳴り、耳がつまった感じなどの症状があらわれることがあります。
- メニエール病(内リンパ水腫が原因の病気)
- 発作時のめまいは回転性で激しく、吐き気や嘔吐を伴います。また、同時に難聴や耳鳴りが起こる場合もあります。めまいは、数時間から1日、またはそれ以上持続した後、治まります。難聴はめまいが起こると悪化し、めまいが治まると、正常に戻るか軽快します。ただし、メニエール病が進行すると次第に悪化し、徐々に聴力の改善がみられなくなり、重度の難聴になることもあります。また、これらの症状は繰り返し起こり、その頻度は週1回から年数回とさまざまです。
- 神経の炎症(前庭神経炎)
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からだのバランスを保つ情報を脳へ伝える前庭(ぜんてい)神経に炎症が起こると、正常に情報が伝わらず、めまいが起こります。
これは「前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)」という病気です。
前庭神経炎は風邪をひいた後に発症することが多いため、ウイルス感染や血液の循環障害が原因で炎症が起こるのではないかと考えられています。 -
前庭神経炎は突然、激しい回転性めまいが起こり、悪心、嘔吐を伴い、通常2~3日続きます。難聴や耳鳴りはありません。その後、少しずつめまいは改善していきますが、発症から1週間程は歩行が困難です。
3週間程でめまいはほぼ治まりますが、動くときはふらつきが生じやすく、6カ月経過後も半数近くの人でふらつきがみられます。
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からだのバランスを保つ情報を脳へ伝える前庭(ぜんてい)神経に炎症が起こると、正常に情報が伝わらず、めまいが起こります。
- 髄液の漏れ(外リンパ瘻)
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髄液(脳を保護している液体)が、内リンパ腔に漏れるとめまいが起こります。めまいのほか、難聴や耳鳴り(水の流れるような音)、耳がつまった感じなどの症状があらわれることがあります。
これは、「外リンパ瘻(ろう)」という病気です。 - 外リンパ瘻(ろう)は、急激な圧の変動(飛行機に乗ったときや水中に潜ったとき、鼻を強くかんだ後など)によって回転性めまいや難聴、耳鳴り(水の流れるような音)、耳がつまった感じなどが起こります。これらの症状があらわれる直前に、パチッというはじける音が聞こえる場合もあります。
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髄液(脳を保護している液体)が、内リンパ腔に漏れるとめまいが起こります。めまいのほか、難聴や耳鳴り(水の流れるような音)、耳がつまった感じなどの症状があらわれることがあります。
- 中耳の炎症(中耳炎)
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中耳(ちゅうじ)の炎症が内耳(ないじ)に及ぶと、前庭(ぜんてい)などの内耳の働きが異常となり、めまいが起こります。
中耳が炎症を起こす病気に「中耳炎」があります。 - 中耳炎によるめまいは、浮動性めまいや平衡障害が多く、激しいめまいは多くはありません。中耳(ちゅうじ)の炎症が内耳(ないじ)に及ぶと前庭(ぜんてい)などの内耳の働きが異常となり、めまいが起こります。中耳から内耳への炎症は徐々に進行するため、急激な回転性めまいは起こりにくいと考えられます。
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中耳(ちゅうじ)の炎症が内耳(ないじ)に及ぶと、前庭(ぜんてい)などの内耳の働きが異常となり、めまいが起こります。
- 血圧の急激な変動(高血圧、低血圧、不整脈、低血糖、貧血)
- 高血圧症
- 血圧が急に200mmHgまで上昇すると「頭がフーッとする」などのめまい感が生じます。
- また「血圧を下げる薬」の服用により血圧が下がると浮動性めまいが起こります。
- 低血圧症
- 脳に届く血液量の減少により、クラッとしたり気が遠くなったりします(起立性低血圧)。
- 不整脈
- 心臓からの血液の送り出しが一瞬停止することで、脳に届く血液量が減少して、クラッとしたり、気が遠くなったりします。
- 低血糖症
- 血液中の血糖量が減少し過ぎると、ふらつくことがあります。
- 高血圧症
- 心因性めまい、頸性めまい(首)等
- 心因性めまい
- 不安や心配事、ストレスが続くとめまいが起こることがあります。めまいは回転性、浮動性など一定ではありません。ストレスなどの心因や性格などにより、自律神経そのものに影響し、さまざまな症状があらわれます。めまいに合併する症状はめまいをはじめ、眠れない、食欲がない、肩が凝る、手足がふるえる、便秘になるなどさまざまです。
- 頸性めまい(首)
- 多くの場合、首を回したり、伸ばしたりすると生じるめまいです。これは首の骨や筋肉、靱帯(じんたい)の異常によるものです。めまいのほか、さまざまな症状を伴うことも少なくありません。
- その他
- 貧血症、脱水、多血症、糖尿病、高脂血症、自己免疫疾患、炎症性疾患、梅毒、甲状腺機能低下症、過換気症候群、薬剤によるめまい などがめまいの原因として考えられます。
- 心因性めまい
脳や神経
耳
血圧の変動に関係する全身の病気、不安や心配事、心因性めまい
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