CGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)による治療について
CGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)による治療について 目次
CGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)による治療について
片頭痛発作の発症抑制に用いる新薬が保険適用されたことを受け、当院においても、片頭痛治療薬(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)による治療を開始いたしました。
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は主に三叉神経節で発現する神経ペプチドで、片頭痛患者では血中CGRP濃度が上昇していると言われています。 抑制薬に含まれる抗CGRP抗体は、このCGRPの活性を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する効果が期待されています。
1.CGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)による治療方法について
内服による予防薬ではなく、月1回の注射となります(保険診療)。
CGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)は以下の3種類があり、患者さまの症状に合わせて処方いたします。
製品名 | エムガルティ | アジョビ | アイモビーグ |
---|---|---|---|
用法 | 皮下注射 1か月間隔、1本ずつ (初回2本) |
皮下注射 4週間隔、1本ずつ 12週間隔、3本ずつ |
皮下注射 4週間隔、1本ずつ |
費用 (1本あたり) 保険適用 3割負担 |
13,550円 | 12,410円 | 12,410円 |
2.投与対象となる患者様について
最適使用推進ガイドライン(厚生労働省)を遵守するため、当院では下記の基準にてCGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)による治療を実施しております。
当院におけるCGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)治療基準
- 医師に片頭痛と診断されている方(片頭痛とそれ以外の頭痛疾患を鑑別されていることが必要になります)
- 過去3か月の間で、片頭痛が平均して1か月に4日以上発生している方
- 既承認の片頭痛発作の発症抑制薬の効果が不十分な方、または内服の継続が困難な方
(既承認の片頭痛発作の発症抑制薬)
(1)プロプラノロール塩酸塩(インデラル錠など)
(2)バルプロ酸ナトリウム(セレニカ錠、デパケン錠など)
(3)ロメリジン塩酸塩(ミグシス錠など)
- ※ 18歳未満の方につきましては、投与を行っておりません。
- ※ 妊娠中・授乳中の方につきましては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断できない場合、投与を行っておりません。
3.ご予約から治療までの流れについて
(1)当院にて片頭痛の治療を受けられている方
予約時あるいは診察時に治療希望をお伝えください。
(2)他院で片頭痛の治療を受けられている方
紹介状(診療情報提供書)とお薬手帳をご用意のうえご予約ください。
(3)初めて頭痛で医療機関を受診される方
まずは当院頭痛外来の診察をご予約ください。
- ※ 片頭痛とそれ以外の頭痛疾患が鑑別されていない場合は、MRI検査や血液検査などの検査を実施する場合がございます。
- ※ 初回診察当日のCGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)の投与は行っておりません。
治療基準に該当するか判断してから、改めて実際にCGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)を投与するお日にちを決定します。
4.費用について
保険適用(3割負担)となります。
担当医師紹介について
診療時間について
お電話でのお問い合わせ:03-6202-3376