頭痛の原因

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頭痛の原因 目次

1.一次性頭痛

一次性頭痛とは、検査を行っても他に原因となる疾患が見つからない、いわゆる「頭痛持ちの方の頭痛」です。頭痛で外来を受診する人の大半が一次性頭痛で、この頭痛だけで命にかかわることはありませんが、日常生活に支障をきたす場合は治療が必要です。代表的なものに、以下の3つがあげられます。

(1)緊張型頭痛
    ■特徴
  • ① 毎日のように痛みが起きる
  • ② 頭を何かで締め付けられるような痛み
  • ③ 首や肩の「はり」「こり」を感じることが多く、目の疲れ・身体のだるさ・めまいなどを伴う
    ■誘因
    原因は身体的ストレスと精神的ストレスがあげられます。
  • ① 身体的ストレス…
    悪い姿勢・長時間のデスクワーク・睡眠不足などによる筋肉の緊張・血液循環の悪化
  • ② 精神的ストレス…
    対人関係や仕事・家庭で悩みや不安を抱えることで自律神経のバランスが崩れる
(2)片頭痛

思春期から40代に多くみられます。
片頭痛の治療薬については、「片頭痛治療薬について」のページをご覧下さい。

    ■特徴
  • ① 頭痛の頻度は月に数回~10回前後
  • ② 頭の片側あるいは両側がズキンズキンと脈を打つような痛み
  • ③ 吐き気や嘔吐を伴う
  • ④ 家族に片頭痛持ちがいる
    ■誘因
  • ① 激しい運動や入浴後、日射し、気圧の低下
  • ② 女性は生理前や生理中の女性ホルモンのバランスの変化
  • ③ 家族に片頭痛持ちがいる
  • ④ アルコールやチョコレート、チーズなどを食べたとき
    ■片頭痛の前兆
    片頭痛は、前兆を伴うタイプと、伴わないタイプに分類できます。 最も多い前兆は、「閃輝暗点」と呼ばれる症状で、
  • ① 目の前で光がチカチカする
  • ② 視界にきらきら光るジグザクの線が移動する
  • ③ 視野が狭くなる
  • などがあり、他に、手がしびれることもあります。頭痛が始まるとそれらの症状は消失してしまいます。
    ■片頭痛の予兆
    前兆のない片頭痛でも、「頭痛がくるかもしれない…」と漠然とした予感を感じることがあります。
  • ① なまあくびがでる
  • ② イライラする
  • ③ 気分が悪い
  • ④ 体がむくむ
  • ⑤ 甘いものが欲しくなる
  • ⑥ 眠気を感じる
  • ⑦ 肩や首がはる
  • というような状態のあとに、頭痛が起こる場合です。漠然とした症状なので、前兆とは区別されます。
(3)群発頭痛

緊張性頭痛や片頭痛に比べると、最も痛い頭痛です。
群発頭痛の治療薬については、「群発頭痛の薬について」のページをご覧下さい。

    ■特徴
  • ① 20~40代の男性に多い
  • ② 1年から数年に一度、1ヶ月から数ヶ月、毎日のように決まった時間に痛みが起きる
  • ③ 頭部の片側、眼の奥、こめかみあたりが「えぐられる」ような激しい痛み
  • ④ 目の充血、涙、鼻水、鼻づまりを伴う
    ■誘因
    まだまだ明らかになっていない点が多いですが、目の奥の血管が拡張し、周囲に炎症が生じて神経を刺激すると考えられています。そのため、血管を拡張させるアルコールの摂取は厳禁です。また、心臓の病気等で血管を拡張させる作用のある薬を服用している人は、主治医の先生に相談が必要です。
(4)神経痛

a)三叉神経痛
b)後頭神経痛

2.二次性頭痛

二次性頭痛とは、何らかの病気の一症状として発生する頭痛です。

この二次性頭痛を見逃さずに診断することが、頭痛診療において非常に重要です。
二次性頭痛の原因となる代表的な疾患は、以下の通りです。

(1)くも膜下出血

多くは、これまで味わったことの無いバットで殴られたような痛みで、吐き気・嘔吐、意識喪失も伴います。しかし、まれに「風邪をひいたかな」と思う程度の軽い頭痛の場合もあります。

(2)脳出血

突然、激しい頭痛に襲われ、頭痛以外にも、片側の手・足・顔のしびれや脱力、言語障害や視野障害といった症状を伴うことが多いです。

(3)脳腫瘍

半年から数か月の経過で、嘔気・嘔吐を伴って徐々に増悪する頭痛が典型的です。朝方に発生しやすい特徴があります。進行性の片麻痺、けいれん発作の症状も現れることがあります。

(4)髄膜炎

ウイルスや細菌が原因で髄膜に炎症が生じ、高熱、項部硬直、けいれん、意識障害などがみられます。後頭部に強い痛みを感じることが多いのも特徴です。

(5)慢性硬膜下血腫

頭部外傷後、脳を包む硬膜と脳との間に、徐々に血液が溜まっていき、脳を圧迫するようになります。それに伴って、頭痛の他にも食欲低下や、手足の筋力低下、言語障害などがみられることもあります。

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