脳から来る両足の痺れ ~脳の機能局在とは~

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八重洲クリニック脳神経外科は、平成29年1月5日から日本橋の柳屋ビルディング2階に移転しております。当地は日本橋駅に近く中央通りに面しているため、交通の便利がよく皆様から好評を頂いております。中央通りは、東京2020オリンピック・パラリンピックではマラソンコースになっており、また閉会後はパレードも行なわれるであろうと思われます。「診療時間の合間に少しでも見られたらいいな…」と、今からスタッフ一同、心待ちにしております。

パラリンピックも盛んになってきました。元々、パラリンピックとは、パラプレジア(Paraplegia、対麻痺)にオリンピックをあわせた造語です。パラプレジアとは、両足が麻痺した状態を言います。腰部脊髄損傷などで対麻痺を患った方々が車いす競技大会を開催したのが最初のようです。同じような言葉にヘミプレジア(Hemiplegia、片麻痺)という言葉があります。片麻痺とは、右または左半身が麻痺した状態で、脳卒中などで出現します。そのため、両足の症状は腰が原因、半身(手足)の症状は脳が原因と思いがちです。でも脳が原因で両足の痺れや麻痺が出現する場合もあります。何故でしょう? それは、「脳の機能局在」と言う脳の特徴から理解できます。

脳の機能局在とは、簡単に言えば、「脳には、右左や前後などの場所によって異なる機能が存在すること」です。右の脳には、左半身の感覚や運動機能を有する神経細胞が規則正しく存在し、左の脳には同じように右半身の感覚や運動機能を担当する神経細胞が局在しています。それ以外の機能については、今回は省略します。


参照:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Homunculus-ja.png?uselang=ja

上の図は、脳をおよそ両耳に平行に縦に切った断面で、運動神経や感覚神経がどのように分布しているかを示す模式図です。両足の神経細胞は脳の内側に左右接するように存在していますが、手や顔の神経は脳の外側にあり左右の脳で離れた場所にあることがわかります。


脳の病気(脳出血、脳梗塞等)は、通常片側に起こります。そのため、左右の脳で離れた場所にある両手の神経が同時に障害される事はまずありません。しかし、上の図の丸印の部分に病気が生じた場合は、両足のしびれや麻痺が起こります。この部分には、左右の脳の間にある大脳鎌という硬い膜が存在します。そのような膜からは髄膜腫という脳腫瘍が発生することがあり、それによって両足のしびれや麻痺が生じることがあります。

少し難しい話になりましたが、両足にしびれがあり頭痛が段々とひどくなるような場合は、一度脳神経外科を受診してください。

担当: 峯田


大脳鎌髄膜腫の頭部MRI画像(造影剤を使用しています)

 

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八重洲クリニック「しびれ外来」

 

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