物忘れ ・その1・ 主観的認知障害とは?

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個人差はありますが、人は40歳代や50歳を越えた頃から物忘れを自覚するようです。自分の20歳、30歳代と比較して記憶力が低下していると感じるようになり、「人の名前が出てこない」、「車の鍵など、いつも使っている物の場所が分からなくなる」などを自覚すると、「自分もボケたかな?」と心配になります。そう言う私も、人の名前が思い出せないのは日常茶飯事ですが、先日シャワーで洗髪中、自分がシャンプーを使っているのかリンスを使っているのか分からなくなり不安になってしまいました。友人に相談すると、「泡立ちでわかるだろう…」、「シャンプーとリンス、一体型を使ってはどうか..?」といわれ、その通り!と納得しましたが自分の不安の解消にはなりません。

同じような不安を持つ40歳や50歳代の方が病院を受診することがあります。物忘れがひどくなったと自覚し、アルツハイマー型認知症になるのではと心配しています。この様な方は、主観的認知障害という状態であると言えます。

主観的認知障害とは、主観的に認知機能の低下を自覚しているが客観的には認知機能の低下を認めない状態です。簡単に言えば、本人は自分の認知機能の低下を自覚しているが、他人にはその人の認知機能の低下が認識できない状態です。そのため、病院を受診する場合は、ほとんどの人が一人で来院されます。主観的認知障害は、英語ではSubjective Cognitive Impairment (SCI)といわれ、別名として主観的記憶障害(Subjective Memory Complaints: SMC)といわれます。

皆さんが一番知りたい事は、このような状態からどれくらいの人が今後紹介する「軽度認知障害」、そして認知症へと移行していくのか?だと思いますが、残念ながらまだ詳しくは分かっておりません。勿論、主観的認知障害から症状が進行し認知症まで移行する可能性はありますが、必ずしも移行するものではないと考えられます。

加齢により物忘れを感じる事は、誰でも経験します、そのような時は一人で悩むことなく、まずは信頼できるパートナーや友人に相談することが大切です。また、20歳、30歳代の方に多いようですが、ストレスによる「うつ状態」や生活環境や仕事の環境の変化に適応できない「適応障害」が原因で物忘れを自覚することがあります。そのような場合は、心療内科や精神科を受診しましょう。

担当:峯田

八重洲クリニック「認知症外来」では、検査等で総合的に認知症の診断を行います。

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