脳神経外科領域の主な疾患

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    脳出血とは

  1. 脳出血とは、脳の動脈が何らかの原因で破れて出血した状態をいいます。そのために意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れます。出血した血液は脳内で血腫(けっしゅ)をつくり、周囲の脳を圧迫して、脳機能の低下を引き起こします。また脳がむくむ(=脳浮腫 のうふしゅ)ことよって頭蓋内圧が高くなって、大脳や小脳の一部が頭蓋骨の中で本来収まっている位置を越える脳ヘルニアを起こし、重い場合は脳幹部が圧迫されて死に至ります。
    近年、脳出血の死亡数は減少してきています。その最大の理由は高血圧の内科的治療が広く行きわたり、血圧のコントロールが十分に行われるようになったためと考えられます。また最近、脳出血は軽症化していますが、運動障害や痴呆(ちほう)などの後遺症で悩む患者さんが多いのも事実です。

    脳出血の主な症状

  1. 脳出血の特徴は、症状が一気に現れることです。
    脳のどの部分にどの程度の出血が起きるかによって症状に差があります。
    1. 頭痛
    2. 気分が悪くなる
    3. 吐き気、嘔吐
    4. 半身マヒ
    5. 感覚障害(しびれや痛みなど)
    6. 言語障害
    7. けいれん
    出血は、数分で止まることも、数時間にわたって続くこともあります。出血が続く場合は、次第に症状が悪化していきます。重症の場合は意識を失い、昏睡状態に陥り、そのまま死んでしまうこともあります。
  2. 脳出血の主な原因

    高血圧 最も多く、全体の70%を占めます。脳出血の発作が起きるのは、ほとんどの場合、血圧の変動が激しい日中の活動時です。統計によると、もっとも危険な季節は真夏と真冬、危険な時間帯は朝の7時ごろと夕方の5時ごろとされています。
    アミロイド変性 老人性変化のひとつであるアミロイドが血管の壁に沈着して血管がもろくなります。
    血管の異常 脳動静脈奇形やモヤモヤ病など
    血液の病気 白血病など
    抗血小板薬や抗凝固薬の内服など
    外傷 事故などによる頭部外傷

    脳出血の予防

    塩分を控える 塩に含まれるナトリウムは血圧を高めます。塩分は1日7グラム以下にしましょう。
    睡眠 ストレスは血圧を高める原因となります。十分な睡眠と休養をとりましょう。
    食事 1日3種類以上の野菜や果物を摂取して、動物性脂肪・コレステロールを多く含む食品を控えましょう。
    運動 週2回以上の適度な運動を行い、肥満を防止しましょう。
    嗜好品 禁煙する。飲酒は控えめに(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、ウイスキーならダブル一杯)

    脳出血の検査

  3. 脳出血が疑われた場合は、CTが最も有用な検査として行われます。 発症直後から、脳内に血腫を白く描出します。また、脳動静脈奇形、脳腫瘍による出血が疑われる場合は、MRIや脳血管撮影が必要になります。
検査画像 T2強調画像 横断
検査画像 磁化率強調画像(SWI)横断